裏口死

死とは、神から人間に与えられた、ひとつの挑戦状のようなものではあるが、では神は何をどう、人間に向かって挑んでいるのか?
受動的に人間に与えられた死、いはば道を歩いているとき、「偶然」にも上からコンクリートが落下して起きる事故を、人間の側で「必然」に変えられるか、と言うような挑戦か?
カラダと魂が離れることによっても死は生じるが、魂が過剰にカラダの中に入り込み、客に「どうぞ、中へ、中へ」と言って、客が裏口から、庭に落っこちるように、魂がカラダを突き抜ける場合もある。
その時は、カラダが消える。とすれば、死はもともと無かったものなのだ。