走馬灯

昨日、SISカンパニー公演、いのうえひでのり演出、原作尾崎士郎、脚本宮本研「今ひとたびの修羅」を新国立劇場で観る。もろ100パーセント任侠物。
偶然にも、隣の席には麿兄弟と洋子さん。
昭和初頭の東京は深川のはずれ、渡世人の飛車角(堤真一)こと小山角太郎は、義理の上から加担した出入りで人をあやめ、警察に追われる身となる。逃げ込んだ民家で出会ったのは、伝説の侠客の血を引く男吉良常(風間杜夫)。飛車角には、横浜のあいまい宿から足抜きさせ、命からがらともに逃げて、所帯をもったおとよ(宮沢りえ)がいたが、、、、おとよは飛車角が務所勤めの間に、子分の宮川(岡本健一 好演)とできてしまう、、、、、
大殺陣あり、濡れ場あり、花吹雪あり、男と女の間には黒く深い水があり、ひさかたぶりに昭和の気分に浸る。
終わってから、新宿に出、久子の実家の船橋屋でてんぷらと酒を呑む。店を出ると、霧雨。50年前の新宿の街が朧に浮かんでくる。あのころは路地の入り口には、やーさんが足を開いて仁王立ちしていたな。久子のおとっさんはそんな新宿でやーさんと戦いながら新宿を復興した。
人生、走馬灯のようだな。