駈ける女

POWER OF ART DANCE SERIS VoL 2を青山のスパイラルガーデンでみる。
ダンサーは上村なおか。森下真樹。振付は黒沢美香。
一見、宇宙を駈ける金魚人間のごと。白と濃いピンクで縁取られた装束の上村なおかが、あらゆる方向に光を発しながら、金平糖のようなダンス。夜の国。
続いて、同じ装束の森下真樹、駆け込んガーデンを何周も走る。2人とも背中には、宇宙の軸をバラバラにして背負い、カタカタと音を立てながら、動く。2人とも、ま白い前髪を目の下まで垂らし、顔を直接には見せない。
けれども、その高貴なカラダ。性を超えた、男性意志。
宇宙の庭で、すべての記憶を超えてカラダの持つ夢を、天の水に移しながら、1人でありながら2人。2人でありながら1人。垂直でありながら水平。媚がない。双子でありながら姉妹、姉妹でありながら全くの赤の他人。ダンスというよりも、2人が醸し出した宇宙の生活。乱心、気まぐれ。人々に花を散じ、駈け抜けてゆく。
この公演、今から3日前の4月29日日曜日の夜、しかし、目の中に移動したその夢風景は3日間たっても、過ぎ去らない。