2008.8.1

2002年に購入したiBOOKノートパソコンが起動音が鳴って、画面が明るくなりかかると、とたんに眠りに入りそのまま蓋をして一晩寝ると、翌朝元気よ く起き上がる。この状態を息子や若い人に訴えると、「もう後期高齢者だね」とか「こいつ三代前の代物だよ。トットッと新しいのにしたら」などと言われる。 叡は「修理して中を掃除したらまだまだ使えるよ」と言う。
このOSX10.2.1を買ったときは、若い人たちに「いいのを買ったねぇ。使いこなせるの?」と羨ましそうな顔をしながらも、心の中では―豚に真珠だね―と思っているのがありありだったのを思い出す。
然り、いまだに機能のほとんどを使いこなせない体たらくだ。もともと、純白の中にアップルマークを施したデザインの格好よさだけで買ったパソコンなので、 このまま新しいのに乗り換えるのは、熱烈に求愛して結婚したけど、相手を理解しないまますぐに離婚するようなものだ、といささか心苦しい。
さてどうしようか。解決は簡単だった。Macの会社に問い合わせたら、「お客様のその製品の部品はもう製造されておりません」だって。
パソコンごときで、こんなに思い悩むのはバカバカしい。早速、新しいのに切り替え、今度こそは新婚のときから相手を理解しようと、マニアル本を買い込むが、待てよ・・・・。
所詮相手は人間ではなく物質。ここで再び、タルホの声が響いてきた。
―物質利用には物質に使用されぬ警戒が必要であり、これが真に物質を尊重する所以であるー「彌勒」
とはいえ、今度のMacBookはとても働き者ですばらしい。純白に代わって漆黒のデザインも格好いい。
今回のパソコンも、私には“豚に真珠”だろう。真珠の真価は分からなくても、美しいものが机の上に置かれているのは気分がいいなぁ~。