令子さんのあたらしい本

画家の片山健さんの添え書きとともに、片山令子さんの新しい本「惑星」が届いた。健さんの添え書きには「………病がわかる前から編集がはじまっていましたが、………先日ようやく完成しました。………」と書かれていた。
……………
あたらしいおおきな白い雲
こんにちは。
そしてさようなら。
ほんとうはさよならはいらない。
ひとびとと永遠が住んでいる 空の時間の中では。
令子さんは、昨年2月「ひかりのはこ」にこんな言葉をのこして、翌月春の光のなかに消えていってしまった。一言も言葉を交わすことなく、どうして? 
私は、とてもかなしかった。
あれから一年半。 こんにちは、令子さん。あなたのあたらしい本が届いた。あなたの心
に刻まれたコトバの数々。健さんの絵。あなたの大好きなカスタードプリンのクリーム色の装丁。美しく、温かな、温かな………戻ってきてくれたのね、令子さん。
嬉しかった。
ほんとうにさよならはいらない。