6月から7月へ

あぁ、6月もあとI日。7月になると、子どもたちは、あと半月もすればやってくる夏休みを、毎日毎日楽しみに待っている。少なくとも私の子どもの頃は、そうだった。
夏休みといえば、海水浴、山登り、田舎のおじいちゃん、おばあちゃんの家にお泊まり、花火大会、鎮守の森の夏祭り………。懐かしく、楽しかった思い出が目に浮かぶ。どれもこれも、濃厚接触、三密有りで、コロナ時代の夏休みスタイルにはそぐわないだろうなぁ〜などと思いながら、梅雨の晴れ間の洗濯干しをしていると、雑草の間から、チョロチョロと可愛い蜥蜴が2匹、干場のコンクリの上を横切った。親子だ!上を見ると、真っ青な空に白い雲が浮かんでいる。道路でお向かいの子供たちがボール遊びをしている。あかるい笑い声が聞こえて来る。
中庭から、ナオカさんが「ひと口一緒に食べませんか?」と、大きなお盆にざる蕎麦と卵焼きを載せて持ってきた。梅雨の晴れ間の昼下がり、思い煩うことはない。
   わたしは動物の………
  わたしは動物の目のなかに
  永続する穏やかな生を見た。
  冷静な自然の
  公平無私の静かさを。
  動物も恐れを知らぬのではない。
  けれども彼らはすぐ前に進み、
  その充溢の野の上で
  他処の味のしない
  現前を草はむ。
        R.M.リルケ <フランス語の詩>より 高安国世訳

梅雨の晴れ間………もうすぐ 夏がやって来る。
梅雨の晴れ間………もうすぐ 夏がやって来る。