年の終わりから始まりへ

いつの間にか、国分寺の杜から聴こえていた除夜の鐘が、八幡さまの大太鼓の音に変わっている。志村ふくみ先生から頂いた先生の『薔薇のことぶれ』—リルケ書簡ーを読んでいるうちに、ふと気が付くと2012年が過ぎ、新しい年が明けてい …

雪が降る

もう直き、1月23日が過ぎ、24日がやってくる。外は雪だ。部屋を暗くすると、私の机の前の窓を通して、お隣の本多さんの広いお庭が、真っ白に浮び上がって見える。窓を開けると、冷たい空気がきもちいい。寒いけど美しい。 昨年の暮 …

山本さんの言葉

エッセイストの山本ふみこさんから頂いた本「そなえることは、へらすこと。」(メディアファクトリー)を読んだ。日常の暮らしの中で(特に、この度の大震災のあと)著者が、感じたり思ったりしていることが、明快、率直な言葉で綴られて …

石井恭二さんの訃報

11月30日の夕方、現代思潮新社の川辺さんから、現代思潮社元社主の石井恭二さんの訃報が届けられた。享年83歳。特にこの一年叡の心にはいつも石井さんのことが気になっていたようで、「今度一度訪ねようね」と口にしていただけに、 …

明日は日本へ。

いよいよ明日は日本に帰る。 今年の春、多くのひとをのみこんだ日本の大地にふる雪を、痛ましいほど白いと感じたのはついこの間のこと。早くも再び雪の季節が巡ってくる。 5月にフランスのアンジェとアネシー、7月にはイタリアのトス …

11月のBROOKLYNつづき5

11月16日夕方4時半。今日は朝から小雨が降っている。ここの部屋は6階にあり、ベランダを通して正面に、マンハッタンに渡る橋が見え、橋に平行して電車が走っている。今すべてが灰色の風景の中で、電車の四角い車窓と車のライトだけ …

11月のBROOKLYN4

今年の8月の末、MacBookAirを買った。海外にでる時、荷物が少しでも軽くあってほしいからだ。と言うと、いかにもパソコンを自由に使いこなしてるように聞こえるが、まったくそうではない。闇の中を行き当たりばったりしている …

11月のBROOLYNつづき3

私たちに部屋を貸してくれているエミリーのおばあさんは、台湾の人だそうだ。どうりで、シゲさんが初めて彼女を紹介してくれたとき、思わず日本語で挨拶しそうになったほどの親しみを覚えた。確か国分寺のどこかで出会ったことあるような …